勝利の立役者となった2人とは
この日の勝利は間違いなく、ディフェンスの選手が後ろで耐え続けたからこその結果である。その中で、立役者となったのは誰なのだろうか。今回はこの二人にフォーカスしてみたい。
まずは、貴重な先制ゴールを挙げたカンテである。同選手は無尽蔵のスタミナを武器にピッチ全体を駆け回り、攻守において存在感を放った。51分には自陣からドリブルで相手陣内に侵入すると、最後はウィリアンに決定的なパスを通すなど、チャンスを演出していた。主に守備面で評価されることの多いカンテだが、この日は決定的なパスを全体の1位タイとなる2本出すなど、攻撃面での活躍が目立った。
持ち味であるインターセプトの回数は1回とやや少なめではあったが、D・シルバやラポルトに対するプレッシャーの部分で脅威となっていたことは明らか。改めてそのポテンシャルの高さを証明したと言えるだろう。
もう一人はセサル・アスピリクエタである。同選手は右サイドで対峙したレロイ・ザネを完璧に封じ込み、決定的な仕事を与えなかった。タックル成功数は両チーム合わせてトップの13回を記録。2番目に多いフェルナンジーニョですら6回であることからも、その凄さがうかがえる。
また、インターセプトの回数も全体で一番多い5回を記録している。空中戦を競る回数が少なかったとはいえ、勝率は100%となっているなど、アスピリクエタの働きぶりは評価すべきだろう。データサイト『Who Scored』では文句なしのMOMに選出されている。
この二人の活躍もあり、王者・シティ相手に勝利をもぎ取ったチェルシー。マウリツィオ・サッリ監督の下、新たな強さを手に入れた同クラブは、ここからさらに勝ち点を積み上げ、プレミアリーグをもっと盛り上げてほしいものだ。
(文:小澤祐作)
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