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セリエA 6年前

ユーベの決勝ゴールはいかにして生まれたのか。そこに背番号7の存在、準備されていた完璧な狙い

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ユーベが見逃さなかったインテルの隙

 29分、ミランダからのロングパスを右サイドで足に収めたポリターノは、ユーベ守備陣を翻弄し中央のマウロ・イカルディにパスを入れた。イカルディはジョルジョ・キエッリーニとボヌッチを引きつけ、正確なポストプレーで後方から走りこんできたロベルト・ガリアルディーニをフリーでゴールに行かせた。

 その1分後にも、ポリターノのクロスからインテルはビッグチャンスを作っている。ニアでミラン・シュクリニアルが潰れ、ボールはファーに。そこではイカルディとイバン・ペリシッチがフリーで詰めることができていた。

 もっともインテルは、その2つのチャンスを両方とも活かすことができなかった。ガリアルディーニのシュートはポストに当たり、イカルディとペリシッチはファーで重なりミートができなかった。

 一方ユベントスは、インテルの組織が一瞬ほころびを見せた隙を見逃さずに、ゴールを決めきった。マリオ・マンジュキッチが挙げた66分のゴールシーンには、スパレッティ監督が言わんとしていたところの、特定の状況下で最適のプレーができたチームとできなかったチームとの差が如実に現れたものだったのだ。

 あれは、ほぼ完璧だったインテルの守備組織が許した唯一の隙だった。しかも細かいところを言えば、守備を崩され失点となった要因は『右サイドMFに移ったジョアン・マリオのポジショニングが悪く、カンセロにオーバーラップをさせる隙を与えた』というとても細かいものだ。

 些細なことのようだが、それが大ピンチとなる。インテルはファウルの後からのリスタートで、一瞬選手たちの気が抜けた。その間、ポリターノとボルハ・バレーロの交代にあたって右サイドに回されたジョアン・マリオが、少し内側に寄ってアウトサイドのスペースを空けた。これが致命的なものとなったのである。

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