浮き彫りとなったユーベと他チームの差
「確かにそこそこ良い内容ではあった。だがミスが多すぎた。とある状況下で、それに適応したプレーをするという点で我われはダメだった。一方ユーベはそうではなかったということだ。本当にいい試合をしていたのなら、勝ち点ゼロで終わるなんてことにはならんよ」
イタリアダービー後、地元メディアの取材に応じたインテルのルチアーノ・スパレッティ監督の口からは、チームに対する辛口のコメントばかりが出てきた。内容は拮抗し、むしろ前半はユベントスに対して優勢。結局負けはしたものの、スコアは僅差だ。傍目には接戦に見えるその試合は、かえってユーベとインテルをはじめとした他チームの差を浮き彫りにするものとなった。
インテルは、戦術上は良い試合運びができていた。高い位置からプレスをかけて、レオナルド・ボヌッチやミラレム・ピャニッチの組み立てを阻害する。守備の際には中盤が収縮。DFラインの前で5人が並んでコンパクトなラインを築き、スペースを消す。ボールを奪えば、中盤の底に位置するマルセロ・ブロゾビッチが正確にパスを出し、ショートパスを主体にしたカウンターを繰り出した。
狙い撃ちにしたのは両サイドだ。守備の際には前線に2人を残す形となるユーベのシステムは、守備に切り替わる際にサイドの人数が足りなくなる。そこに両ウイングとインサイドMF、さらにサイドバックがからんで攻撃を組み立てる。特にジョアン・カンセロが守るユーベの左サイドの裏には、マッテオ・ポリターノが果敢に侵入。そこを起点に、インテルは決定機を築いていた。