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鬼門、疲労、アクシデント。アーセナルを襲った数々の試練。マンU戦ドローは必然の結果?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

数々の試練が待ち受けるも…

 後半はお互いにシュートチャンスをなかなか作ることができず、時計の針はまもなく70分に差し掛かろうとしていた。しかし68分、ロホが自陣でボールを失うと、これを途中出場のアレクサンドル・ラカゼットが拾う。すぐ横を駆け上がってきたムヒタリアンとワンツーでペナルティエリア内に侵入すると、最後は足を伸ばしてきたロホにボールが当たり、そのままゴールへ吸い込まれた。

 この得点を生んだのは、途中出場の2人。エメリ監督の采配がまたも的中したのは間違いない。ただ、前半で交代カードを2枚使ったのはやはり痛すぎたのである。1点リードしている状況で、本来ならエメリ監督は守備面で貢献できる選手を投入し、逃げ切りに成功したいはずだった。その証拠に、前節のトッテナム戦も、ムスタフィに代え中盤でハードワークができるマテオ・ゲンドゥージをピッチに送り出していた。ただ、今節はその時点でもう残されている交代枠はなかった。守備の選手たちの疲労がどれほど溜まっていたのかは定かではないが、集中力が落ちていた印象は否めない。

 2点目を挙げたわずか1分後、ロホが前線ロングボールを送ると、ロメル・ルカクが競り合いボールは同選手の後方へ。懸命に戻ってきたセアド・コラシナツだったが、ボールコントロールが長くなり、それをペナルティエリア内でジェシー・リンガードに押し込まれまさかの同点に追いつかれた。

 オールド・トラフォードでのマンチェスター・U戦は11戦3分8敗としているアーセナル。やはり“鬼門”は鬼門だった。

 その後、お互いに点を奪うことはできず、試合は2-2のドロー。ある意味必然の結果だったのかもしれない。アーセナルはこれで公式戦20戦無敗としたが、怪我人の状況が気になる後味の悪いゲームとなってしまった。また、過密日程の続くプレミアリーグの中で、高いクオリティを維持していくにはどうしたらいいのか。疲労の影響が目立ったと言わざるを得ない今節で見つかった課題。今後に向けその点は考えていかなければならない。

 鬼門、疲労の蓄積、アクシデント。数々の試練が待ち受けていたマンチェスター・U戦をなんとか負けずに乗り切ったアーセナルは、次節、ホームにハダーズフィールドを迎える。

(文:小澤祐作)

【了】

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