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鬼門、疲労、アクシデント。アーセナルを襲った数々の試練。マンU戦ドローは必然の結果?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

エメリ監督を襲った悲劇

ウナイ・エメリ
前半で負傷者が2名。エメリ監督はゲームプランの変更を余儀なくされた【写真:Getty Images】

 マンチェスター・Uは前半から中央のネマニャ・マティッチを経由し、左右にボールを散らした。これによりアーセナルDF陣はスライドの激しい動きを強いられる形となり、余計に疲れが溜まっていったのである。

 それでも粘り強く戦ったアウェイチームは26分、ルーカス・トレイラの蹴ったCKをシュコドラン・ムスタフィが頭で合わせ、先制ゴールを奪取。これで少し落ち着いた試合展開に流れを持っていきたかった、同チームだったが、そのわずか4分後、マルコス・ロホの直接FKを一度はベルント・レノが弾くが、こぼれ球をアンデル・エレーラに拾われ、最後はアントニー・マルシャルに押し込まれた。

 さらに悲劇がアーセナルを襲う。左サイドでボールを持ったロブ・ホールディングが後方からマーカス・ラッシュフォードのタックルを受け、左膝を痛めるアクシデントに見舞われてしまう。同選手はプレー続行が不可能となり、ステファン・リヒトシュタイナーとの交代を余儀なくされた。悲劇はまだ続く。前半終了間際、それまで効果的な動きでチームをけん引し、この日はキャプテンマークを巻いたアーロン・ラムジーも足を痛め、前半はなんとかプレーを続けたものの、後半は出場が不可能となり、ヘンリク・ムヒタリアンと交代という形に。エメリ監督は45分間だけで2枚の交代カードを使わざるを得ず、ゲームプランの変更までも余儀なくされた。

 アーセナルにとっては痛すぎる展開だった。今季の同チームは前半こそスロースタートを切る印象が強いが、逆に後半の勢いがすさまじい。その理由には、エメリ監督の交代策が的中しているということが言えるだろう。しかし、今節はその交代枠を前半で2枚も使ってしまった。ある意味、アーセナルの長所をマンチェスター・Uに潰される形となったのだ。

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