川崎Fはチームの色が突出している
今回はJ1リーグを、上位陣を中心に振り返っていきたいと思う。去年4位の柏レイソルが17位で自動降格して、6位だったジュビロ磐田がプレーオフに回ることになった。あれだけのメンツがいても、少しリズムが狂うとこうなってしまうというのはJ1らしいと言える。接戦が特徴のいいリーグになってきていると思うよ。
そんななか、頭一つ抜け出して優勝したのが川崎フロンターレだ。川崎Fはチームの色が突出している。風間(八宏)さん、鬼木(達)が作ったものだね。
最終的に2位と12ポイント差をつけている。特に夏場以降にグッと力が出てきたというか、戻してきた。5月のはじめに2連敗したけど、その次の柏戦で逆転勝利。このあたりから良くなったね。中断期間を挟んで連勝しているし。鬼木監督はロシアワールドカップの中断期間でチームを作り直したんだね。特にディフェンス面での意識づけという部分。ちょっと緩くなっていないか、ということで作り直して、選手たちも納得して戦った。
前線でボールを失った瞬間の切り替えのところ。それができるようになったら今度は前からプレスに行けるようになって、相手陣内でボールを奪える。そこでチームが変わったと思う。最多得点、最少失点ということを考えても、Jリーグの中で彼らのベースというのは非常にいいものになってきた。
去年の初優勝は間違いなく今年に繋がっている。ただ苦しいこともあったと思うよ。最初は思うように勝ち点を伸ばせなくて。あれ? となった時に、ふわっとなる部分があったんじゃないかな。勝って当たり前、自分たちはチャンピオンチーム、追われる立場、叩かれる立場なんていうところは、意識の中に出てくるものだから。そこを鬼木が締め直した。
今までは「自分たちはいいサッカーをして勝つんだ」という意欲に燃えていたのが、去年優勝したことで今度はそれを続けなきゃいけない、となった。その苦しさというのは、やっぱり周りの変化が大きい。見る目も変わるし、相手チームの目の色も変わる。ちょっと大変だよね。
でも、以前(中村)憲剛がメールをくれたんだけど、「『今年も』と言えることが非常に嬉しい」と。