上だけを見て戦う1年にするはずだったが・・・
J1最終節・川崎フロンターレ戦を逆転で落とし、ジュビロ磐田は16位でJ1参入プレーオフ決定戦に出場することとなった。
昨季は6位と躍進し、30失点はリーグ最少だった。今季はトップ5入りを目標に掲げるなど、上だけを見て戦う1年にするはずだった。しかし今、チームはJ1残留の瀬戸際に立たされている。
今年1月の新体制会見で、名波浩監督は「去年の30失点も順位も、だいぶ出来過ぎだと思う」と話した。その上でこうも語っている。
「どこまでやれるかという疑心暗鬼や不安要素よりも、やれるんじゃないかという方が強くなってきている。守備は自信を持ってできると思う。守備が安定していれば大崩れはない」
しかし、自信を確信に変える上で拠り所となるべき堅守には綻びが見られた。無失点試合11回は前年の14回と比較するとそこまで減っていないが、第22節・浦和レッズ戦(0●4)第25節・名古屋グランパス戦(1●6)、第29節・清水エスパルス戦(1●5)と大量失点を喫する試合もあった。計15点を奪われたこの3戦の結果は、最終的に得失点差の争いとなるなかで不利に働いた。
年間48失点は、J1復帰初年度の2016シーズンとほぼ同じ数字だ(50失点)。守護神はカミンスキーで、最終ラインを統率するのは大井健太郎。年齢を一つ重ねたとはいえ軸は昨季から変わっておらず、守備陣だけの責任とするのは酷だ。
トップ5を目指しながら入れ替え戦に回る憂き目に遭った2018年、名波ジュビロに一体何があったのか。前年のパフォーマンスと比較しながら検証していきたい。