J1残留へ。中村俊輔の決意
「これまででしたら3クラブが自動降格なので、今シーズンのレギュレーションに助けられたと思って、入れ替え戦は必死になって戦いたいと思います」
名波監督はショックを引きずりながらも、懸命に前を向いた。ミックスゾーンでも選手たちが、気持ちを切り替えることの重要性を口にしていた。最後に姿を現した中村俊輔もこう語る。
「ラスト1試合、本当だったらもう落ちているじゃん? 本当にラストチャンスというか、チャンスがあるわけなので生かさないといけない。(プレーオフは)ホームだし、サポーターのためにも。多くの人が下からのチームがまくってほしいというか、そういう絵が見たいんだと思うけど。J1の意地というより、やっぱりジュビロの意地を見せないといけない。しっかり切り替えて戦う」
J2から挑んでくるチームのモチベーションは、言うまでもなく最高潮だろう。対して16位のチームはもう一度奮い立たせるべきものがある。しかも、磐田は最悪の形でこの立場にいる。希望に満ち溢れた相手を上回るには、ただ時を過ごしピッチに立てばいいわけではない。
「ちゃんと分析だったり、プランが必要だと思う。自分たちのサッカーをやれば勝てるというようなレベルじゃないし、だったらこんな順位にならない。相手の弱点見つけて、セットプレーのマークを誰にするかをしっかりして。選手だけじゃなくて全員が、自分の仕事を全うしないと」
数々の修羅場をくぐってきた天才レフティーは冷静に、そして決然と言った。気持ちを切り替えるのは前提で、その上でどのような準備を行うかが問われている。
J1参入プレーオフ決定戦は8日、ヤマハスタジアムで開催される。ジュビロ磐田と対戦するのは、劇的な勝利で勝ち上がってきた東京ヴェルディだ。
(取材・文:青木務)
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