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Jリーグ 6年前

名波ジュビロ、筋書き変えたのは自分たち? 弱点を露呈・・・J1残留へ切り替え以上に大事なこと

text by 青木務 photo by Getty Images

「少し焦って飛び込んでしまった」。20歳CBの後悔

 引き分けでもJ1残留が決まる磐田は、90分に田口に代えて櫻内渚をピッチに送り出した。サイドに張る相手アタッカーを見るため松本昌也も最終ラインに吸収され、6人が並ぶような形で“バスを置いた”。一番前には満身創痍の川又のみ。ムサエフもブロックに加わり、クリアボールを追う者はいない。ひたすら耐える覚悟だった。

 後ろの枚数を増やしても、間を通される光景に変化はない。ボールに先回りし、ゴール前で跳ね返してはいたが、ドアはいつこじ開けられてもおかしくなかった。

「1-1のままなら残留が決まるので、『もう失点しないぞ』と声を掛け合っていました。守れていたなかで最後の失点だったので・・・」

 試合後、大南拓磨はそう言って唇を噛んだ。ラストプレーとなった後半アディショナルタイムの対応を、20歳のディフェンダーは悔やむ。パスを受けた家長に、大南は内側を切りながら距離を詰める。その刹那、家長は流麗な体重移動で縦に加速。大南は相手の肩に手をかけるも止められない。ボックス内への侵入を許し、もうファウルもできない。足を伸ばしたがボールは抜けていき、天を仰ぐしかなかった。

「反応が遅くなってしまって、飛び込んでしまった。いつもだったらもう少し間合いを取って、家長選手にうまいことやらせないような工夫ができたかもしれないですけど、あの場面では少し焦って飛び込んでしまった」

 それまでマンオブザマッチ級の働きを見せていた。マークを怠らず、カバーリングも素早く的確だった。“あの場面”は家長を称賛するしかなく、大南を責めることはできない。攻め続けられることにストレスはなかったのかと試合後に問うと、彼は「そういうものを感じないようにプレーすることはできたと思います」と述べている。

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