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セリエA 6年前

ユベントスが誇示した強さの一端。C・ロナウドもPK弾、力業ではない勝利が持つ意味

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

勝ったのはユベントスだった

 しかしながら、12本のシュート打ちながらノーゴールに終わったという事実は残る。35分にはシメオネがゴール前でフリーとなるチャンスを得ながらもシュートを外した。後半はキエーザのドリブル突破にイタリア代表の左SBクリスティアン・ビラーギのオーバーラップを絡めて左サイドを攻めまくった。しかしチャンスは作れど、シュートはユーベGKヴォイチェフ・シュチェスニーの前に行くものばかりだった。

 これは裏を返せば、相手に肉薄されながらも勝負所を抑えて勝利をもぎ取ったユベントスが試合巧者だった、ということになる。実際、その通りだった。

 まずは、31分の先制弾のシーン。試合出場過多だったミラレム・ピャニッチの代わりにレジスタとして先発出場したロドリゴ・ベンタンクールが起点となり、パウロ・ディバラに当てて縦のワンツーを実行した。そしてその間、ロナウドが左から右に走ってDFを引きつけてくれたこともあり、フリーに近い格好でシュートを放ちゴールを決めた。

 ベンタンクールはこのところ絶好調。サミ・ケディラやエムレ・ジャンなどの故障に伴って定位置をつかんでいたが、この日はレジスタとしても仕事を果たした。時折相手のプレスの餌食となって、ボールロストもそれなりに多かったが、前進して得点に絡むことのできるセンスの高さを示した格好だ。

 次に、守備の固さだ。フィオレンティーナに中盤でボールを奪われ、ショートカウンター気味に攻撃を食らったが、これについてもまた最終ラインが注意深く対応を図った。

 マッシミリアーノ・アッレグリ監督が最も警戒していたのはキエーザ。右にも左でも突破が可能な若き代表を抑えるため、マッティア・デ・シーリオを左ではなく右SBに起用した。そこにはファン・クアドラードも守備に下がってくるので、2人がかりで挟み込む。また攻撃に転じれば、クアドラードが内側に仕掛けたところをデ・シーリオがオーバーラップするという連係もでき上がっていた。

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