その威力、まるで進化したポケモン
後半、リバプールがリズムをつかんできたタイミングを見計らって、トゥヘルはすかさずエディンソン・カバーニとディ・マリアを同時に下げてアウベスとチュポ・モティングを投入、終盤の85分にはエムバペも下げてアドリアン・ラビオを送り出した。
PSGが勝利を決定づけるべく、攻撃手を下げて守備寄りの選手を入れる光景など、リーグ・アンでの彼らには見られないことだが、選手たちの気合い、そして指揮官の作戦ともに、CL仕様を追求してPSGはこの勝利を手に入れた。
この試合のキーパーソンの一人、マルキーニョスは、「監督は僕たちに必要なことは必ず言ってくれるし、その伝え方も知っている。だからこそ、今シーズンここまで僕たちは着実に進化してこられたんだ」と、トゥヘルへの信頼を言葉で表した。
指揮官を中心に、チームは完全にひとつになっている。ナポリ戦の頼りない印象があまりに強かったから、正直、このリバプール戦は絶対に勝てないだろうと思っていた。でもこの試合でのPSGは、進化したポケモンのごとく威力が別次元だった。これが実力なら、12月11日、ベオグラードでレッドスターに敗れることはまずないと思える。
(取材・文:小川由紀子【フランス】)
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