D・アウベスの言う「進化形」
「(9月に)リバプールと対戦したときは、PSGはまだ自分たちが立ち向かうものがなんなのかを明確に理解していないように感じた。自分たちはどんな相手と戦おうとしているのか、ピンと来ていない感じだった。いまはそれを理解してきている」
と英テレグラフ紙とのインタビューで話したのは、これまで17年間のキャリアで38のトロフィーを獲得している熟練のダニエウ・アウベスだ。5月に膝を負傷して以来、この試合の4日前のトゥールーズ戦で約7か月ぶりにピッチに立ったアウベスは、リバプール戦では65分にディ・マリアと交代し、サイドハーフとしてフィニッシャー役をまっとうした。
「PSG ほどの戦力を備えたチームはそう多くはないが、自分たちの戦いの場をしっかり把握する必要がある。国内リーグでは楽に勝つことができるが、国外の強豪クラブとの対戦では質を上げなくてはならない。それができなければ痛い目にあう」
ナポリをホームに迎えた第3節でも、カルロ・アンチェロッティ監督の戦法に自陣の良さをことごとく潰され、DFトマ・ムニエが誘発した相手のオウンゴールと、ロスタイムのアンヘル・ディ・マリアの奇跡的なロングシュートでなんとかドロー、という苦しい経験をした。
その時の彼らと、このリバプール戦での、自信と勝利への意志に満ち溢れた彼らはまるで別のチームのようだから、彼らの真の実力は計りかねるところもあるが、アウベスが言うように、自分たちが立ち向かうことへの自覚が次第に増してここにつながっている、つまりは「進化形」なのだとすれば、PSGはこのあとも着実にラウンド16に進み、そこでも善戦が期待できるだろう。
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