「連勝記録にあぐらをかかない」(トゥヘル)
この試合でPSGは、センターバックのマルキーニョスをヴェラッティとともにアンカーに並べた4-4-2の布陣を敷いた。相手のボールホルダーに対して1対3の状況をつくるために、トゥヘルはどうしでもこの試合では中盤底に2人必要だったと語り、今季すでに何度か試している、本職はセンターバックのマルキーニョスをそのポジションで使う戦法をとった。
そして自陣がボールを持ったときは、マルキーニョスがセンターバックの2人、チアゴ・シウバとプレスネル・キンペンベの間に入って3-5-2にスイッチし、素早いカウンター攻撃をしかけた。
ちょうど週末のリーグ戦でも、マルセイユが対アミアン戦の試合中に3バックから4バックに切り替えて勝機を手繰り寄せたが、3枚ディフェンスの一角から4バックの左サイドバックへと臨機応変な対応を求められた酒井宏樹が試合後に言っていたことを思い出した。
「試合中に(システムを)変えるということは難しい。その難しいことができるかどうか(で決まる)」
PSGの面々は、いともスムースに対応していたように見えたが、これがトゥヘルが度々口にする、「連勝記録にあぐらをかかない、日頃のたゆまぬ懸命なトレーニング」の成果ということだろう。
試合の前日会見でトゥヘルは、このリバプール戦に勝利するためのキーポイントとして、
・攻撃的なプレー
・パスまわしを素早く
・局面での素早い判断力
・ボールタッチ数は極力少なく
・最速でネイマールとエムバペにボールをつなげる
と、いくつか具体的なポイントを挙げたが、究極的には、「自分たちは勝てる、という絶対の自信をもって臨むこと」そして、「最大限の集中力」だと強調した。そしてこの試合では、まさにその「絶対に勝つ」という意欲が相手を圧倒していたように見えた。
第1戦目では、3−2というスコア以上に楽勝感が強かっただけに、リバプールの面々も違うチームと対戦したような感覚を抱いたのではなかろうか。