背水の陣から一転、決勝T進出に王手
チャンピオンズリーグ(CL)第5節で、パリ・サンジェルマン(PSG)がリバプールを2-1で破った。
アンフィールドでの第1節は3−2で敗戦。そして、今季これまでPSGが負けたのはこの1戦だけだ。国内リーグでは14連勝中で、欧州五大リーグの新記録を更新している。
「この試合は、我々がリバプールのようなチームとも対等に戦えるのだということを示す最後の機会だった」
国内だけで強い内弁慶チームだという評価を知ってか、PSGの指揮官トーマス・トゥヘルは試合後、そう充実感をにじませた。
この試合に敗れていたら、PSGはここでグループリーグ敗退が決まるところだった。そんな背水の陣から一転、この勝利によって、仮に最終節でレッドスターに負けても決勝トーナメント進出の可能性が残る優位な位置まで浮上した。カップ戦にでも優勝したかのような選手たちの喜びようも納得だ。
優勢なチームというのは、人数が多く見えるものだが、この試合では、赤のリバプールがどこに蹴っても白のPSG陣が集団で阻む、といった様相だった。ピッチ上の彼らにしてみれば、ボールを持ったはいいが、どこにも蹴り出すスペースが見つからない、という感じだったことだろう。
マルコ・ヴェラッティの粘りのあるボールキープからの展開、マルキーニョスの瞬殺ボール奪取、そして、ありとあらゆるピンチに体を投げ出したチアゴ・シウバの熱血ディフェンスはすさまじく、そのガッチリとした守備の基盤があっての、ネイマールやキリアン・エムバペの閃光のごときアタックが、昨年の準優勝者・リバプールを苦しめた。