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Jリーグ 6年前

高木和道、地元・滋賀で笑顔の現役引退。家族と歩んだ350試合、プロ生活18年半に悔いなし

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

「常に家族は一緒。感謝しかない」

高木和道
引退セレモニーでは最愛の家族から花束を手渡された【写真:舩木渉】

 11月11日、滋賀県の甲賀市陸上競技場で行われたJFLのセカンドステージ第14節、MIOびわこ滋賀は2-1でFC今治に勝利を収め、今年度最後ノホームゲームを終えた。高木は長男と手をつないでピッチに入り、試合後に行われた引退セレモニーでは妻、長女、長男から花束を手渡された。

「本当にうちはいろいろな移籍をしましたけど、常に家族一緒に行動していましたし、タイにも来てもらいましたし、本当に僕が振り回している部分があったんですけど、それでも嫌な顔一つせずついてきてくれていたので、感謝しかないですね」

 引退セレモニーを終えた後に行われたMIOびわこ滋賀のファン感謝イベントでの、家族を大切にする「父親」としての高木の様子が強烈に印象に残っている。他の選手たちが地元の子供たちと交流する脇で、「サッカー選手」としてではなく、1人の「父親」として、最後まで息子と楽しそうにボールを蹴っていた。

 2000年にプロとなった高木は清水に始まり、神戸、G大阪、大分、FC岐阜、磐田、エアフォース・セントラル、MIOびわこ滋賀と8クラブに在籍し、9度の移籍を経験した。12歳になる長女は7つもの小学校に通った。

「本当はタイでそのまま何年かやって終われるというのが理想だったのかもしれないですけど、奥さんの場合は体調のこともあったので、こういう形で地元に帰ってきて、楽しくできたのは本当によかったですね」

 FC今治戦でも打点の高いヘディングで相手の攻撃を跳ね返し、後方から積極的に声を出してリーダーシップを発揮するなど、まだまだ衰えは見られないさすがのプレーぶりだった。

 だが、現役生活に未練はない。「今後のプランはあるんですけど、もうちょっと待ってください。指導者ライセンスは取りたいですし、何かしらサッカーに関わって生きていきたいですね。僕は(自分より)もっとすごい、これくらいで止まらない選手を育てますよ」と高木は笑う。

 プロサッカー選手としての日々は2018年11月18日のJFLセカンドステージ最終節Honda FC戦で終わった。これからは38歳で踏み出す、高木和道の第2章が始まる。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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