地元で戦った1年。現役引退の決断は…
「気持ちはもう、めちゃくちゃスッキリしています。引退ってこんなにスッキリできるもんなんや…というくらい。あと1試合で終わったらしばらくサッカーはいいかなというくらい、スッキリしていますね」
また1人、日本代表ユニフォームをまとって戦った選手がスパイクを脱ぐ。清水エスパルスやガンバ大阪、大分トリニータ、ジュビロ磐田などで活躍したDF高木和道は、11月10日に今季限りでの現役引退を表明した。
翌11日に行われた引退セレモニーでは、家族や支えてくれた仲間たちへの感謝とともに「最後にこうやって地元の滋賀のチームで、MIOびわこ滋賀で終われるということを本当に嬉しく思います」と述べた。地元・滋賀県に本拠地を置くJFLのMIOびわこ滋賀は高木が現役として最後にプレーしたクラブとなった。
滋賀県野洲市で生まれ育った高木は、滋賀県立草津東高校を卒業後は京都産業大学に進学した。しかし、練習参加した際のプレーが認められて2000年6月に大学を中退して清水エスパルスに入団。高校3年で転向したセンターバックとしてJリーガーになった。
プロ生活18年半でJ1通算252試合出場5得点、J2通算69試合出場3得点、カップ戦通算45試合出場2得点、天皇杯通算36試合2得点、JFL通算25試合出場2得点を記録。日本代表としては2008年から2009年にかけて5試合に出場した。これまでに積み上げた公式戦出場数は350試合を超える。どのクラブでもファン・サポーターに愛され、チームメイトたちに慕われてきた名DFだ。
そんな高木が現役引退を決断したのは今年の夏ごろだったという。昨年はタイ2部のエアフォース・セントラルでプレーしていたが、悪性リンパ腫と闘う妻ら家族との生活を優先するため1年限りで帰国。そこで改めて契約を結んだのが、地元・滋賀県のJFLクラブだった。
「もう今年でスパッと辞めようと思いました。夏過ぎくらいに『もう辞めよう』と。(きっかけは)そんなにないんですけど、もう急にです。もういいかなって。奥さんの体調のことで地元に帰ってきたんですけど、急きょ契約してもらって。上を目指しているクラブの中に刺激を与えられればとクラブの人と話しをしていて、今年はある程度成績も残せて、勝ち点も取れているというところもあっての、もうやりきった感じかもしれないですけど」