アジアカップで試される真剣勝負の実力
森保監督になってからの5つの強化試合で4勝1分け。1-1で引き分けたベネズエラ戦以外はすべて3点以上とっている。大迫勇也、中島翔哉、南野拓実、堂安律によるアタックラインが好調だ。“ファンタスティック4”の勢いは新しい日本の力になっている。
しかし、言ってしまえば5試合はすべて親善試合にすぎない。アジアカップでは彼らへのマークは当然厳しくなる。平たくいえばファウルで止めてくる。そして日本の弱点をつこうとしてくる。
アジアカップとワールドカップでは自ずとレベルは違うわけだが、日本の強化方針にそれほど大きな影響は与えないと思う。グループリーグでは、日本が圧倒的にボールを支配しながら引いた相手をどう攻略するかという展開が多くなり、この点はワールドカップとは少し違うところかもしれない。
ただ、均質型の特徴で多様型を押し切るつもりなら、アジアで停滞している場合ではない。均質型で押し切るなら、例えばドイツやフランスを相手にしても70%ぐらいボールを握るつもりでないと難しい。逆に圧倒的なボール支配ができるのであれば、とりあえず自分たちの弱点はある程度隠すことができる。アジアカップはその第一段階になる。
日本の弱点の第一は自陣ゴール前の高さとパワー、そしてカウンターアタック対応だ。その弱点をつける相手としてはイラン、オーストラリア、韓国、サウジアラビアがいる。いずれも多様型ではないが、高さ、速さ、強さという武器をそれぞれ日本につきつけられるチームである。これもワールドカップでのベスト8を目標にするなら、当然克服できなければならない。
アジアカップとワールドカップではレベルが違う。ただ、アジアカップの延長線上にワールドカップがあり、日本がやるべきこと自体に差はない。「日本らしさ」を発揮すれば、ワールドカップでもベスト16までは狙えることがはっきりしてきたおかげで、以前ほどアジアとワールドカップにギャップを感じなくなった。例えば「アジアのバルセロナ」ならば、ワールドカップでも「バルセロナ」であるべきで、それは不可能ではないし、そうでないとベスト8には入れないからだ(バルセロナを目指せという意味ではない。念のため)。