相手DFを置き去りにする駆け引き
レオナルド・ボヌッチ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】
これが、ロナウドがゴールを量産する秘密だ。サッカーの基本に忠実に従っているのだが、相手DFが最初にロナウドの位置を確認したときは、まだオフサイドの位置にいて相手を油断させている。
次にDFがボールを保持しているボヌッチを見ている間に、一瞬戻ってオフサイドにならない位置に入り、DFより先にスタートを切る。ボールが飛んで来る際にロナウドと相手DFが併走しているように見えるのだが、ロナウドの方が一瞬早くスタートを切って先にトップスピードに乗っているのと、ボヌッチが蹴った瞬間に裏にボールが抜けるとわかっているので一直線に走っている。
しかし、DFのリンデロフは、ボヌッチがボールを蹴る瞬間は、ロナウドが自分より数メートル前にいたので半身の状態で下がっているため、その分走るスピードが遅い。そのため、リンデロフはボールの落下点に追いつけない。ロナウドが何をするか知ったときには遅いのだ。
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