ミシャ監督が繰り返し行ってきたこと
その四方田ヘッドコーチが築いていた基礎の上に、「私の哲学であり、監督としてのスタイル」と言い切る攻撃的なサッカーを作るためのエッセンスを注入していった。
「しっかりと選手たちを観察した。その選手たちが私の哲学、私のやるサッカーに積極的にトライしてくれた。このサッカーでいきたいと、そういう思いを持って日々のトレーニングに取り組んでくれた」
選手の個性や特徴を見極めた上で、タッチ数の制限を入れた練習などを何度も反復して繰り返してきた。
加えてチームが変わるために、不可欠な精神面にも気を配った。
「私の攻撃的なスタイルと、選手がこのサッカーをやりたいという思い、お互いの信頼関係。これを我々は日々積み上げていく中で、この方向でいこうと前を見て、その道を進んできた。私自身もこのチームならできると思っていましたし、選手たちもこのサッカーなら我々は強くなれる、うまくなれるという思いを持って日々努力をした結果だと思う。そういったお互いの信じる気持ちが躍進につながっていると思う」
指揮官も選手も、お互いを信頼し、ぶれなかったことが今の成功につながっている。
選手たちも同様の見解を持っている。「結果もついてきているし、自分たちのやっているサッカーは間違っていないと証明できた。ミシャの手腕、カリスマ性もあってチームもどんどん成長している」と駒井。三好は「練習の時から、自分たちのやっていくことを全員で共通理解し、同じ方向を向いて戦えていることが大きい。それが結果につながっている」と話した。
ジェイも「今年は監督が代わってチームのスタイルも変わった。そういう時は強い選手、経験のある選手もスタイルを変えないといけない」ときっぱり。元イングランド代表ですら自らのスタイルに固執せず、信用するペトロヴィッチ監督の望むプレースタイルでチームを支える。若手もベテランも、日本人選手も外国人選手も、名伯楽の思い描くサッカーで前進を続けている。