「さすが4位にいるなと」(磐田MF中村俊輔)
敵チームに所属する稀代の司令塔の言葉が、札幌の充実ぶりを表していた。
「戦術がしっかり浸透している。個の力も含めて、さすが4位にいるなと。最初の失点はオウンゴールだけど、ちょっと時間の問題だと思っていた」。
磐田MF中村俊輔が素直に完敗を認めるほど、アウェイチームは完成度の高い攻撃的なサッカーを披露。2-0でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場に望みをつなぐ、貴重な勝ち点3を収めた。
立ち上がりから札幌が猛攻を仕掛けた。後方から丁寧にボールをつなぎ、磐田を自陣ゴール前に押し込む。前半6分には早々とビッグチャンスを作りだした。DF福森晃斗のクロスからの一連の攻撃に、最後はペナルティーエリア内にいたMF駒井善成がシュート。相手GKカミンスキーも抜いて先制点と思われたが、間一髪ゴールライン上でDF高橋祥平がクリアした。
あわや1点もののピンチを救った背番号41だったが、悪夢は6分後に待っていた。攻勢を強める札幌は、左サイドから福森が正確なFKでゴール前にボールを供給。ノーマークで大外に走りこんだMF早坂良太が、ペナルティーエリア右で受けて中央に折り返すと、防ごうとスライディングした磐田・高橋の足に当たりコースが変わってゴールラインを越えた。
「ゲームを振り返ると1点目のゴールが効果絶大だった。オウンゴールというのがメンタル的にも痛かった」と名波浩監督。DF大井健太郎も「オウンゴールというのでアンラッキーもあったが、開始15分を0で乗り切ろうという試合前の思惑と違ってしまった。そこはもったいなかった」と悔やんだ。