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セリエA 6年前

ユベントスに隙なし。C・ロナウドがもたらす勝利、機能した新たな戦術オプション

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

エースの存在が新オプションをも…

クリスティアーノ・ロナウド
クリスティアーノ・ロナウドの存在感は絶大。SPAL戦でも全得点に絡む活躍を披露した【写真:Getty Images】

 そしてこの場面でもC・ロナウドは仕事をするのだが、今度はフィニッシャーではなくチャンスメイカーとして攻撃を引っ張った。右に左に流れてボールを受けると、縦への推進によって自ら速攻の柱となる。ハードなタックルも受けながらも体を張り、積極的に仕掛けていった。

 60分の追加点も、アシストこそつかないが彼が作り出したようなものだ。SPALの攻撃を受けて逆襲へと転じた際、左サイドで一気に加速する。これを見て取ったレオナルド・ボヌッチが、最後尾から正確なミドルパスを入れる。そして裏に走ると、マークについた相手DFフェリペをあっさり引き剥がす。

 そして、自らが縦に走ることで相手DFを引きつけてできたスペースに、ボールを折り返す。そこにドグラス・コスタが走り込み、強烈なシュート。GKが弾いたボールは、ゴール前に詰めていたマンジュキッチの目の前に落ち、あとは押し込むだけとなった。

 得点に関わってたのは結局CR7だったわけだが、他のチームメイトも存在感を見せていた。ドグラス・コスタの個人技は、前半のSPALのプレスを空転させてチャンスを作り出す要因となっていた。そして普段、ジョアン・カンセロがポジションを確保している右サイドバックでは、マッティア・デ・シリオが攻守両面で躍動していた。

 序盤戦、4-4-2の布陣はさほど機能ているとはいえないような状態だった。しかし今や、それも戦術のオプションとして吸収できている。13試合12勝という圧倒的なリーグ成績は、ユーベが試合ごとに完成度とチーム力を高めてきている結果として得られたものなのだろう。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

【了】

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