スタジアムの熱気は最高潮に
一人がアタックを仕掛ければ、二人目はすぐにカバーに回る。サッカーにおいてこれは当たり前のことだが、アトレティコはその動きが非常に速い。また、中央に人数を集めて守るホームチームに対し、バルセロナは外に逃げるしかなかった。そこからクロスを入れても、中には屈強なアトレティコDF陣がおり、それらはことごとく跳ね返されたのである。
結局前半、バルセロナはシュートを2本しか放つことができなかった。枠内シュートはもちろん0。アトレティコのカウンターにはうまく対処できていたが、攻撃陣は明らかに苦戦していた。
後半に入り、アウェイチームのペースは上がったようにも思えた。しかしながら、ゴールへの可能性を感じさせるプレーはあまり見受けられない。逆にアトレティコの強烈なプレスを受け、カウンターを食らうシーンを作られた。
59分、中盤でボールを持ったアルトゥールがアントワーヌ・グリーズマンにプレスを受け、ボールロスト。背番号7はそのままドリブルを開始し、一気にペナルティエリア内まで侵入した。このシーンでゴールは生まれなかったが、アトレティコにはこの“一発”があるのだ。
そしてその脅威はすぐにバルセロナを襲った。77分、グリーズマンの蹴ったCKをファーサイドでD・コスタが合わせ、アトレティコが待望の先制ゴールを奪取した。ホームチームからすれば、プラン通りの完璧な試合運びだと言えるだろう。エスタディオ・ワンダ・メトロポリターノに詰めかけたホームチームのサポーターは誰もが勝利を確信したはずだ。
ディエゴ・シメオネ監督もスタジアムに足を運んだサポーターに対し両手を広げて煽るなど、アトレティコの勝利へ、雰囲気は最高潮に達していた。
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