同点ゴールを決めた六反勇治【写真:Getty Images】
明治安田生命J1リーグ第33節の全9試合が24日に各地で行われた。清水エスパルスとヴィッセル神戸の対戦は、記録的な長さのアディショナルタイムやGKによる劇的ゴールなど異例の事態が相次ぐ一戦となった。
来季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得の可能性を残していた清水と、J1残留確定を目指していた神戸。両チームともにそれぞれの目標に向けて勝ち点を積み重ねたい状況で試合を迎えた。
26分にはアンドレス・イニエスタの絶妙なループパスから藤田直之が決めて神戸が先制。清水も39分に河井陽介のゴールで同点としたが、神戸は52分に古橋亨梧、62分に三田啓貴が決めて2点リードを奪う。
だが清水は最後まで諦めず、終盤に驚異の粘りを見せる。87分にはドウグラスのゴールで1点差。直後にはチョン・テセのゴールで追いついたかに見えたがオフサイドの判定で認められなかった。
90分を回った試合は、負傷者が出たことで大幅に終了が遅れることになった。アディショナルタイムの10分以上を過ぎてようやく試合が再開されたあと、清水は最後の攻撃を繰り出すためCKの場面でGK六反勇治もゴール前に上げると、白崎凌兵からのボールにヘディングで合わせたその六反が劇的な同点ゴールを奪った。時間は実に104分となっていた。
それでもまだ試合は終わらず、最後は両チームの選手たちがエキサイトして激しく衝突。相手選手を押した神戸のウェリントンが退場になるなどの混乱の中、18分50秒にも及んだアディショナルタイムを経て終了の笛が吹かれたが、その後も選手たちが審判に詰め寄るなど物々しいムードが続いた。
このドローの結果、清水はACL出場を逃すことが決定。神戸はJ1残留が決まっている。
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