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Jリーグ 6年前

ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-

text by 玉利剛一 photo by Koichi Tamari

ストイコビッチにイエローを出され「しばらくお休みに」

-小幡さんといえばJリーグ開幕戦の担当主審であると共に、「ストイコビッチにイエローカードを出された主審」としても有名です。苦い想い出かもしれないですが、当時を振り返って頂けませんか?

「彼(ストイコビッチ)は素晴らしいプレーヤーであることは間違いないのですが、危険なファウルもするんです。あの試合の2枚目の警告もディフェンスの選手がクリアした後に足を出すファウルで。いわゆるアフターですね。警告を出さざるをえないシーンでした。前半で2枚目の警告ということで今振り返れば、色々考えられたかもしれないですが、あの時は彼がチームの不調もあってイライラしていましたし、注意を払わないといけない選手だと思っていた心証も影響したかもしれません」

-そして、小幡さんのイエローカードをストイコビッチ選手に奪われて逆に掲示出されるという事件が起きる。

「自身の未熟さが招いた失敗でした。警告を出した後に激昂する可能性があるというリスクマネジメントを想定していなかった。退場に関しても「いつものことやなぁ」くらいに思っていた。私はこれでしばらくお休みになりました」

-えっ? 小幡さんに非はないようにも思えるんですが。警告は正しい判定ですよね?

「ゲームマネジメントの部分ですね。イエローカードを奪われたことが大きい。僕は落としたと思っていたんですよ。まあ、審判の権威を失わせた責任ですね。納得はしています。この処分で審判を辞めようとも思わなかったです。当時はSNSもなかったですし、世間の反応があまり入ってこなかったのも良かった。今なら「イエローカードを出された下手くそ審判」とか書かれちゃうかもしれないですね。けど、TVの珍プレー好プレーのような番組にはよく取り上げられましたよ。みのもんたさんのアフレコをつけられて沢山イジられました(笑)。私は鈍感だからあんまり気にしなかったですけど。失敗はピッチで取り返そうと考えていました」

【次ページ】「審判は孤独」

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