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日本代表 6年前

守田英正は「人と人をつなぐ」。日本代表初先発、三竿健斗&柴崎岳との共存で示した柔軟性

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「人と人をつなぐ」守田が競争に加わると…

三竿健斗 柴崎岳
三竿健斗(左)から柴崎岳(右)へと相方が変わっても、守田英正は柔軟にプレーの質を変えながら存在感を発揮し続けた【写真:Getty Images】

 1つ象徴的だったのが77分の3点目につながったシーンだ。吉田から原口が引いて受けるタイミングで柴崎が追い越して前に出る。そこから中央で原口のパスを守田が受けると、柴崎がすっと下りてきて横パスを受け、その瞬間に左のアウトサイドから斜めに裏を狙う山中にスルーパスを出したのだ。これは惜しくもディフェンスにカットされたが、守田が素早くセカンドボールに反応して柴崎より前目の位置で奪うと、そのまま北川航也にパス。そこから大迫勇也のゴールにつながった。

 要するに流れの中でボランチの役割を完全に分担するのではなく、臨機応変にポジショニングを切り替えることでチームの流れをよくし、プレーの強度を高めていくビジョンに関して、柴崎と守田のコンビはかなりのポテンシャルを示した。

 守田も柴崎との関係には手応えを得たようだが、逆に堂安や終盤に入ってきた中島翔哉との関わり方については「距離を空けすぎて、僕が孤立してしまう状況が多くて、失う回数も多かった」と課題を語る。

 ボランチでのプレーについて「人と人をつなぐというか、チームにとっての連動性をもたらせるように、自分がその間に入ってプレーするところを見てもらいたい」と語っていた守田だけに、攻撃陣の4人が全て交代した中でどう関わるかを常に考えながらプレーしていた。そして、この試合を通じてかなり手ごたえを掴めたようだ。まだ探り探りの中で、少なくとも経験豊富な柴崎とも中盤でスムーズに連動しながら攻守に関われていたことは評価するべきところでもある。

 森保ジャパンの立ち上げから招集されている青山敏弘の欠場は痛かったが、守田という重要な戦力になりうる若手が加わり、前半は三竿、後半の早い時間帯から柴崎と組む中で初めてとしては上々の機能性を示した。これがよりハイレベルで強度の高い相手との試合でどうなっていくのか気になるが、アジアカップに向けてのボランチの枠に割って入るだけのポテンシャルを示したことは確かだ。

 アジアカップの招集メンバーの中で、ボランチは順当なら遠藤航と柴崎を軸に青山、三竿、守田のうち2人という構成になると予想される。青山のコンディションしだいというところもあるが、かなり消耗の激しいポジションを4人で回すには怪我のリスクが少ないことも大事な要素になる。そう考えれば大会を通しての伸びしろを考えても守田の抜てきは森保監督にとっても有効なプランになりうる。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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