中島、南野、堂安が作り出す「面白い距離感」
前線に関しては、北川の動きをもう少し活かせれば良かったと思う。中間ポジションでいい位置に立っていて、そこから最前線に出ていく動きをするんだけど、前半はほとんど使われなかった。ゴールへ向かう時にもう少し周りが、杉本に隠れている北川を見ると、ボールも入れやすかったかなと思うね。
北川は器用な選手だし、彼をどうやって活かすかを考えるのはアリだと思う。例えば南野(拓実)のところに北川を置いて中島、堂安と組ませたら、北川はもっとうまく合わせられると思う。南野と同じ仕事を北川にやらせる。その方がより活きるんじゃないかな。
後半はベネズエラ戦のスタメンが前線に続々と出てきて2点を加えた。中島、南野、堂安の誰かが仕掛けると、周りもしっかり付いていく。それが面白い距離感なんだよね。ぐっとチームが前向きになるし、試合のテンションが上がるよね。彼らが何をやるかといったらドリブルで中に入ってきたり、それに対して両サイドが絞ってきて中のスルーパスを狙ったりする。そこがすごいところだよね。縦への推進力が突然、変わるんだ。
特に中島がああいうプレーをするから、というのはある。今の日本にとって彼が「きっかけ」だね。日本の中であれが許されている唯一の選手だ。
新しい選手では山中は結果を残した。長友(佑都)に続く左サイドバックが出てきてほしい中で、いいパフォーマンスだったと思う。彼は昔からパワーがある。瞬発力だったり体幹の強さだったり、鍛えていたもの以外の、元々備わっているものがある。他の選手が粘りきれないところで山中は粘れたりする。
外国人は骨格とか体幹が強いけど、 山中もそういうものを持っているんだよね。長友もそうなんだけど、体力がなくなっても筋肉だけで走れるとか。そういうタイプ。これはスペシャルなんだよね。シュートも7割で打ってもパンチ力があるし、マリノスでのゴールを見ていても決め方がエゲツない。オーバーな言い方をすると、ボールが割れるんじゃないかという。