無敗は続かない、しかし…残念だったのは試合内容
「土がついた」「祭りの終わり」
UEFAネーションズリーグ第4戦、対オランダ戦の敗戦(0−2)は、そんな見出しとともに報じられた。この夏のロシアワールドカップで優勝した王者の、初黒星。
この結果により、フランスのベスト4進出はドイツ対オランダの最終戦の結果頼みとなったが、フランスの祈りは届かず、敵陣で2-2で引き分けたオランダが得失点差でグループ1の首位に決定した。
「W杯で善戦したチームにはよくあること。これは言い訳ではなく、事実だ」
と、フランス代表のディディエ・デシャン監督も事態を静観しているように、どんな強豪であっても無敗は永久には続かないし、「負けられない」という極度の緊張とストレスからは、時折解放される必要がある。それが公式戦だったのは残念だが、この先も戦い続ける若いチームには、ここらでちょっと土がつくのも悪いことではないだろう。
ただ、残念だったのはこの試合の内容だ。フランスの完敗だった。
オランダ勢のチーム全体からみなぎる勢いと、「絶対に勝つ」という強い意志、さらにはアスレティック能力の高い選手たちの動きは完全にフランスを上回っていた。とくに前線を動き回ったメンフィス・デパイ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、そしてデニス・ロドマン風の赤頭ライアン・バベルの3人に、フランスの守備陣は大いに苦しめられた。
彼らが繰り出すゴール前での高速サイドチェンジは脅威で、前半終了間際にはバベルが放ったシュートのセカンドチャンスをワイナルドゥムに押し込まれた。