サッカーを自然に話すイングランド人
――他に、何か日本サッカーについて感じることはありますか?
「日本ではまだサッカーを『する人』と、『見る人』が分かれているかな。僕は日本でバレーボールの取材をしたことがあるけど、会場の雰囲気はすごくいい。ただ、本当にバレーボールが好きな人はどのくらいいるんだろうと思いました。“お祭り”を楽しみに来ている人、会場の近くに住んでいるからという理由で来ただけの人も結構な割合でいる。サッカーでも同じことが言えるかもしれません。
ただメディアの情報量は日本のほうが圧倒的に多い。たくさんのサッカー専門ウェブサイトや雑誌があって、さらに新聞まである。イングランドにはサッカー専門の新聞はないし雑誌の数も少ない。
昨年、U‐20ワールドカップ(韓国)の取材に行ったときも、日本のメディアの数が多くて驚きました。どの試合も30人くらいいましたね。そのときは、イングランドが優勝したのに、現地の通信社の記者が1人か2人いたくらいで、海外から取材に来ていたのは僕だけ。代表の広報に思わず『イングランドの記者はどこ?』と聞いちゃったくらい(笑)。情報量は結構、差がありますね。
それでも、やっぱりイングランド人はみんな自然にサッカーのことを話すんです。月曜日には前の週末のプレミアリーグの話をして、金曜にはその週末のゲームのこと。そういう空気感がもっと日本にも生まれてほしいなと願っています」
(文:三谷悠)
【了】