若手選手も躍動。その一方で課題も…
さらにそんなテクニシャンたちを支える中盤の汗かき役にも、若くて素晴らしい選手が台頭している。カリアリに所属するニコロ・バレッラだ。
プレスに走り回り、相手のボールホルダーに激しくタックルに行ってボールを刈り取る。そして守備だけでは終わらず、攻撃では積極的に前線に飛び出してボールを受けると、正確なパスやクロスでチャンスメイクすら行う万能ぶり。攻守両面で豊富に働く21歳は、ウクライナ戦から不動の存在として中盤に完全定着している。
20日の親善試合アメリカ戦では、サッスオーロが手塩にかけて育てる23歳のゲームメイカー、ステファノ・センシが躍動。ジョルジーニョの代わりにレジスタで起用されると、見劣りしないパス出しで試合をコントロールした。
「イタリア代表に呼ばれた中で、正直今が一番やりやすい。イタリアだとどうしても守備戦術のタスクに縛られがちになる。今の状況では僕だけなく、テクニカルな選手の多くが恩恵を受けられている」とヴェラッティは国営放送RAIのインタビューで語っていた。どんな相手にもボールキープを保証するイタリアの中盤は、今後のストロングポイントになりそうである。
一方、この4試合では課題も示された。ずばり、得点力不足である。
イタリアは毎試合のように山ほどチャンスを創出したが、得点にはなかなか結びつかなかった。ショートパスを回して相手を振り回しても、シュートでミスが出てゴールに入っていかない。綺麗に崩しながら、最後の選択に誤るシーンも散見された。
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