準決勝進出逃すも批判はなく
17日のネーションズリーグ、イタリア対ポルトガル戦後、イタリア代表のマンチーニ監督はチームづくりの手応を口にした。
ホームでポルトガルを攻め崩せず、スコアレスドロー。ファイナルフォーに進出することはならなかった。この予選の成績でも、4試合で1勝2分1敗。結果だけを見れば、イタリアの復活を宣言するには早計である。
ただ、サッカーの内容には明らかな向上が見られた。ポルトガル戦でイタリアが記録したボール支配率は67%に達し、パスの本数に至ってはなんと876本だ。伝統的にリアクションサッカーを得意とするはずのイタリアが、強豪国との対戦でこれほど高いボールキープに成功したことは稀な出来事だ。
ロシアW杯で予選落ちを喫し、地に堕ちたアズーリ。そこから新監督のもとで起用する選手の方針を変え、戦術を刷新し、積極的な若手起用も図った結果、代表チームを取り巻く雰囲気は随分と変わり、ファイナルフォー(準決勝)進出を逃しても地元メディアは批判に走らなかった。
「代表はポルトガルを前に成長を確約した」(コリエレ・デッロ・スポルト)。リーグA残留という結果を確保していたからという理由もさることながら、サッカーの質を評価されたのだ。
親善試合2試合を含めた9月からの6試合で、イタリアは変革への道筋を付けることに成功した。
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