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日本代表 6年前

山中亮輔、日本代表デビュー&ゴール。長友を脅かす猛追、待望の左利きSBが躍動できた理由

text by 舩木渉 photo by Getty Images

長友も安泰ではない。山中はアジア杯メンバーの有力候補に

長友佑都
長友佑都もうかうかしていられない。負傷から復帰しても日本代表入りは安泰ではなくなった【写真:Getty Images】

 権田も「2タッチ目くらいであれを決めてしまうのがさすがというか、やっぱりここにくるだけの力がある選手だと思いますし、それは練習をやっていてもすごく感じましたし、頼もしいですよね」と、山中のパフォーマンスに目を細めていた。

 一方、本人は「まだまだ全然足りないと思っているし、日本代表の練習からも本当に自分の力不足をすごく感じる。今日は相手が相手でしたし。地に足をつけてしっかりJリーグでまた結果を残せるように。あと2試合ですけど、頑張っていきたい」といたって謙虚だった。

 それでもアジアカップに向けて招集メンバーの有力候補になったことは間違いない。佐々木翔も、長友も、うかうかしていられないだろう。仮に後者が怪我から復帰して来年1月に間に合うとしても、もはや確実にメンバー入りするという保証はない。山中は日本代表に長らく欠けていた、「左利きの左サイドバック」という稀有な存在でもある。

「今回は長友(佑都)選手が怪我で、皆さんは彼のような若い選手が『代わりに入った』という感覚かもしれないですけど、こうやって呼ばれていいパフォーマンスをすることで、次は『どっちが調子いいんだ?』『いい方を使うんだ』となっていくじゃないですか。それがチームが上に行くために大事な競争になってくると思うし、そういう選手はJリーグにまだたくさんいると思うので、こうやって来た選手が活躍して、いい循環になっていると思います」(権田)

 山中の本来のパフォーマンスを引き出した権田は常々、「代表は誰かが調子を落としたから代わりに入ります、という場所では強くなっていかない」と話している。山中の台頭は、そういったより高いレベルの競争を喚起していくきっかけとなるかもしれない。

 今週末、2試合を残していたJ1が再開する。24日にはさっそく、3年ぶりに日本代表の競争に戻ってきた権田が所属するサガン鳥栖と、新たな力として森保ジャパンに加わった山中が所属するマリノスの直接対決がある。一度は共に戦い、助け合った2人のピッチ上での対戦相手としての再会も楽しみにしたい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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