大迫に代わる人材は…
もちろん大迫の3点目をアシストした北川、前半からスピードを前面に押し出した伊東らからは「長所を出そう」という強い意欲は感じられた。経験豊富な原口にしても山中の突破力を生かすために中に絞ってスペースを空けるなど、的確なポジショニングと戦術眼を示していた。もう少し時間を与えれば、このユニットの連係面も改善には向かうだろう。
ただ、「いつ自分がレギュラーから外されるか分からない」という強い危機感を中島らに抱かせられるのは、今のところロシアワールドカップ組の原口だけ。「アジアカップで奪い返すつもりでいます」と背番号8も若い選手たちに挑戦状を叩きつけていた。そんな存在がもっと増えなければ、前線のカルテットをもう一段階上のレベルには到達させることも難しい。
そこで、森保監督が考えるべきなのは、やはり欧州でプレーするロシアワールドカップ組の招集だ。真っ先に呼ばなければらないのは、大迫に続く1トップ要員。武藤嘉紀は第一候補と言える。負傷などを理由に11月10日のボーンマウス戦を欠場して帰国していたが、一両日中にクラブに合流し、試合復帰に向けて準備するところだという。そのタイミングに合わせたのかどうか分からないが、森保監督と日本サッカー協会の関塚隆技術委員長が揃って欧州視察に出向く予定も判明した。ロシアで不完全燃焼感を味わった26歳のFWの再招集を考えているのは事実だろう。
「僕はヨッチ(武藤)とかオカちゃん(岡崎慎司)と話すけど、彼らも代表に選ばれる努力をしていると思うし、十分選ばれるに値する能力のある選手たちだと思う」とキャプテン・吉田麻也も同じプレミアリーグで戦う盟友たちの存在価値に太鼓判を押していた。1トップも2列目もできる武藤は戦術的バリエーションを広げる意味でも使いやすい選手。代表攻撃陣の底上げも実現しやすい。