チームが変わろうともサポーターの存在は不変
最高峰リーグに初めてチャレンジした2015年はサンフレッチェ広島や鹿島アントラーズといった強豪との力の差を痛感させられ、16位に甘んじた。
奪ったボールを素早く最前線のオビナに蹴り出す戦術に対し、浦和レッズを率いていたペトロヴィッチ監督(現札幌)には「ボールが頭の上を超えていく、このスタイルがサッカーなのか」と揶揄されたこともあった。
その屈辱を糧にJ1で定着できるチームになること。それが最重要命題だ。今季の総得点54という数字を見ても、得点力不足は明らかだし、総失点34という数字も傑出したアタッカーの少ないJ2だから叶ったこと。全ての面でブラッシュアップしなければ、4年前と同じ轍を踏むことになりかねない。
資金力の低いプロヴィンチャのJ1定着の難しさは甲府や湘南ベルマーレを見ていていれば分かること。その難題に松本山雅がいかにして取り組んでいくのか。就任8年目となるのが確実な反町監督も新たな策を講じるはずだし、戦力の入れ替えもあるだろう。
ただ、彼らを見守るサポーターの存在だけはこの先も不変だ。その熱とエネルギーを武器に2019年の松本山雅の快進撃を期待したい。
(取材・文:元川悦子)
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