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Jリーグ 6年前

「生きがい」であり「希望」。松本山雅のサポーターが熱狂的な理由とは? J2制覇の原動力に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

スタジアムにはどれほどに人が駆けつけるのか?

反町康治
松本山雅を率いる反町康治監督【写真:Getty Images】

 2017年に徳島から移籍してきて、今季からキャプテンマークを巻く橋内優也も「自分たちの背中を押してもらっているのは間違いない。(11月11日の)前節の栃木SC戦そうですけど、あれだけ沢山のサポーター(約4500人)がアウェーに来られると、自分たちはサボれない。応援してくれる人たちを暗い顔して帰らせるわけには行かない。自分にもプラスアルファが出ていると思います」と語気を強めていたが、これだけの熱狂的な支持を受けられるクラブはJ1・J2含めて屈指と言っていい。

 前日のベネズエラ戦(大分)で日本代表デビューを果たした松本山雅OBのGKシュミット・ダニエル(仙台)も「松本は実力も環境もあるチーム。J1昇格に値する」とコメントしていたが、彼の言う「環境」の中につねに熱狂的サポーターと熱く盛り上がるスタジアムの存在があるのは間違いない。

 反町康治監督が就任し、J2初参戦した2012年以降、サンアルの観客動員数は右肩上がりで推移した。J2初年度の2012年こそホーム平均9531人と1万人を割っていたが、2013年に1万1041人と大台に到達。J1初昇格を決めた2014年は1万2733人に増え、シーズン終盤は1万8000人超を記録することもあった。

 2015年は「J1効果」で1万6843人まで数字を上げたが、1年でJ2落ちを強いられた2016年も1万3631人と2014年超の人数を確保。著しい減少は免れた。

 シュミット・ダニエルがプレーしたのはこの年。2016年の松本山雅は勝ち点84とクラブ最高勝ち点を確保したが、最後の最後で清水エスパルスに得失点差で上回られて3位に落ち、J1昇格プレーオフで伏兵・ファジアーノ岡山に夢を打ち砕かれた。この失望感が多少は響いたのか、翌2017年は1万2146人まで数字を落としたが、2018年は1万3283人と再び上昇に転じた。

「この3年間の悔しい思いが糧となってここまで来た」と反町監督も語ったが、いったんJ2に落ちたクラブを再浮上させるのは容易なことではない。それでも大崩れすることなく、ハードワークと堅守を前面に押し出せたのはつねにエールを送る人々がいたから。そこはチーム関係者全員の共通認識である。

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