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日本代表 6年前

森保J、控え組攻撃陣に求められる課題。アジア杯までの競争、キルギス戦でアピールなるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

香川、乾らの招集もあるか?

 1トップなら現在負傷離脱中の小林悠を筆頭に、欧州組の武藤嘉紀、岡崎慎司といった面々が候補に浮上するだろうし、2列目要員なら香川真司や乾貴士の復帰論が高まりそうだ。ハリル時代に重用された浅野拓磨や久保裕也もいて、アタッカーの選択肢は豊富。「まだ呼んでいないが、追跡し続けている選手はいる」と言う指揮官の脳裏には、こうしたメンバーの顔ぶれが刻まれているはずだ。

 実際、武藤、岡崎、乾は2015年アジアカップ経験者であり、香川に至っては2011年のアジア制覇と2015年の準々決勝敗退の両方を知っている。そういう人間が新生ジャパンに少ないのは事実。半年前のロシア大会でも、絶体絶命のピンチに陥ったチームを救ってきたのは、数々の修羅場をくぐってきた人間たちだった。その例を踏まえても、今回のキルギス戦でピッチに立つであろう攻撃陣はよほどの大きなインパクトを残さない限り、生き残りは厳しいかもしれない。

 森保監督は20代半ば以下の若いアタッカーの台頭を求めて、伊東や北川、杉本に期待を寄せ、繰り返し招集してきた。近い将来には2020年東京五輪を目指すU−21世代の選手を加え、もっと若返りを図っていくシナリオなのだろう。しかしながら、アジアカップという大会で結果が出なければ、その計画自体が狂う可能性も否定できない。

 4年前指揮を執っていたハビエル・アギーレ監督もチーム発足当初は大胆な若返りを試みながら、アジアカップでは遠藤保仁や今野泰幸らベテランを復帰させた。結果的にこの選択は失敗に終わったが、タイトルを獲ることで、自らのチーム作りに勢いをつけたかったメキシコ人指揮官の思惑も理解できる。

 果たして、森保監督は若返り路線を押し通すか、それともアギーレのようにロシア組のベテラン復帰の道を選ぶのか。そこはキルギス戦の戦いぶりにかかっていると言っても過言ではない。いずれにしても、伊東や北川、杉本らの一挙手一投足を冷静に見極めたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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