フットボールチャンネル

Jリーグ 6年前

「町田はJ1に上がれないけど、CLには出られるんです(笑)」。奮闘を阻んだライセンス制度への本音【町田GMインタビュー】

text by 木村元彦 photo by Getty Images

「監督、選手たちは我々を信じて戦ってくれた」

町田ゼルビア
J1ライセンス取得においてネックとなった本拠地・町田市立陸上競技場の増席にもめどが立っている【写真:Getty Images】

――そうですね。ご存知の通り、韓国のKリーグなんかはライセンス制度は最初から突っぱねていましたからね。

「はい。状況も当初のライセンスを設定した時と異なってきています。当時は、チケット収入がこれぐらいあれば経営が上手くいくだろうということでの1万席という根拠だった。

それがJ2にも当てはめられて、皆、苦労していたわけです。それが今では、ダゾーンマネーでJリーグの分配金も増えているでしょうから、もう少し現状に見合ったものというのはありかなとは思います」

――最後にまた町田の話に戻りしょう。施設面における今後の見通しというのはどのようなものでしょうか。

「町田市の方でスタジアムは4千席増席の大きな予算を組んでいただけているので、あとは我々がどれだけその収容率を上げて恩返しできるか。そこからさらに良い環境が必要となった時に、スタジアムは駅チカ、専用、屋根付きというフクアリのようなものになっていくと思います。監督、選手たちは我々を信じて戦ってくれた。そこにサイバーエージェントさんの経営参画が決まった。自分たちのサッカーを信じて前に進むことはやみくもなことではなく、J1昇格に向けて現場も環境面もこれで具体性が強まったという期待をしています」

FC町田ゼルビアゼネラルマネージャー
唐井 直

1957年、神奈川県出身。早稲田大学卒業後、東芝や全日空横浜でプレー。
現役引退後は公認会計士としてのキャリアを積むなど異色の経歴を持つ。
2010年よりFC町田ゼルビアのGMを務め、ジェフユナイテッド千葉の強化担当部長を経て、2016年に現職に復帰。

(取材・文:木村元彦)

【了】

20181030_cover_kanzen

『フットボール批評issue22』

定価:本体1500円+税

今号のフットボール批評では、戦術と近未来を総力特集。ポゼッションvsカウンターという二極対立の構図が終わり、いま世界の最前線で何が起きているのか?
本誌ならではの視点で、世界トップシーンにおける「戦い方」の変革に迫ります。

【巻頭特別対談】
岡田武史×小野剛 いま明かす日本代表激闘の舞台裏

【特集Ⅰ】
その戦術はもう死んでいる? フットボールの「戦い方改革」最前線
◎≪近未来のフットボール≫新しい戦術は生まれるのか? 西部謙司
◎≪新しい戦術の教科書≫解題:欧州トップシーンにおける3バック活用法 坪井健太郎&小澤一郎
◎≪最先端戦術の旗手≫サッリ戦術の革新を追う 内藤秀明
◎≪守備戦術 解体新書≫なぜ4-4-2は主流であり続けるのか? 岩政大樹
◎≪戦術ルネッサンス≫最先端の戦術は既存戦術の焼き直しに過ぎない

【特集Ⅱ】
Jリーグのパラダイムシフト いま何が起きているか?
◎10年後のJリーグと北海道コンサドーレ札幌 野々村芳和社長インタビュー
◎高き理想を掲げるヴィッセル神戸と横浜F・マリノスの未来
◎町田ゼルビアの近未来 唐井直GMインタビュー
◎サガン鳥栖の未来は明るいか?
◎地方クラブの新しい近未来像 ツェーゲン金沢はなぜ面白い?

◎サッカー界の両利き幻想を斬る 加部究
◎オリンピック物語 大橋裕之
◎スポーツ文化異論 武田砂鉄

詳細はこちらから

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!