アジアカップのベースは固まったか
相手を見ながらテンポを変え、時に効果的なサイドチェンジを出すといったプレーは柴崎のスペシャリティだが、クラブでも中盤で出場し続けている遠藤も相手のプレッシャーをいなしながらボールをさばけており、攻撃の起点として振る舞うこともできる。ダブルボランチはお互いのプレーの引き出しが多いほど相手に読まれにくくなるし、その中で2人のバランスが取れていれば、中盤で高いインテンシティを継続することができる。
守備に関しても遠藤は「中盤での切り替えの部分で、自分と岳のところでいかに潰せるかというところはお互いに意識できたと思うし、1人が守備で前に出た時にもうひとりがしっかり真ん中を閉めるところとか、その距離感も良くなってきている」と手応えを語っている。柴崎に関してはデュエルのところで、やはりクラブでボランチとしてプレーできていない影響が多少見られる。それでもタフなベネズエラを相手に、精力的に90分間プレーできたことはプラスになりそうだ。
柴崎のクラブでのプレー環境が改善されれば、さらに良くなっていくことは間違いないが、コンディションなどに大きな問題が生じない限り、アジアカップでは遠藤と柴崎がボランチのファーストセットになっていきそうだ。
そこで2人を軸に上位へと進出できれば、ワールドカップの長いアジア予選においても、まさしく森保ジャパンの“心臓”になりうる。ただし、消耗の激しいポジションでもある。青山敏弘を怪我で欠いている状況で、キルギス戦でおそらくチャンスを与えられると見られる三竿健斗、守田英正のアピールにも期待だ。
(取材・文:河治良幸)
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