課題はアタッカーのバックアップ
後半23、32分の交代で前線の4人が入れ替わってからは、それまで一番効いていたベネズエラのアンカー脇へのパスもなくなり、日本は決定機を作れない。逆にベネズエラは斜めのハイクロスからセカンドボールを拾う攻撃でPKをとり、1-1に追いつく。
日本の前線4人は確かに強力だが、バックアップの層の薄さは課題といえるだろう。
この試合で最も良かったのは安定した守備とフィードをみせた吉田麻也。コンビを組んだ冨安健洋も前半の失点を救ったカバーをはじめ、球出しや競り合いでも存在感を示した。GKシュミット・ダニエルは足下の上手さとともに、ロングフィードが正確なので、ハイプレスを仕掛けられたときに一発でひっくり返す攻撃ができそうだ。
試合勘不足が心配された柴崎岳は、万全とはいえないまでも攻撃のオーガナイザーとして欠かせないところをみせた。遠藤航のボール奪取能力はこのチームの構成上、カギになる。全体に悪いプレーではなかったが、2列目のドリブルが封じられたときを含め、バックアップを厚くする必要がある。コンディション次第だが、香川真司、乾貴士のアジアカップでの招集もありかもしれない。
(文:西部謙司)
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