コパ・アメリカで再戦も?
もはや手放しで大絶賛である。左サイドから切れ味鋭いドリブルを仕掛け、時に思い切りの良いシュートでゴールを積極的に狙い、守備にも手を抜かない。中島のプレーぶりを見たロモは、その将来性の大きさを確信したようだ。
ベネズエラはロシアワールドカップの南米予選こそ最下位での敗退に終わったものの、FIFAランキングで見れば50位の日本を大きく上回る29位につけている。欧米各国のトップリーグでプレーする選手を多数抱える確かな実力を備えたチームだ。
アジアの多くの国よりも間違いなくクオリティの高い選手たちで構成されているベネズエラ代表。その主力選手に「彼らはゴールを奪えなかったとしても、すぐにディフェンスに戻っていく動きも素晴らしかった。僕らはカウンターの準備をしていたけど、なかなかうまくいかなかった。その理由として、攻撃陣が守備にも走るという日本の良い特徴があったと思う」と、守備面での貢献度の高さまで賞賛された「NMD+大迫」の4人。彼らはこの3ヶ月でアジアカップに向けて外せない、森保ジャパンの核になった。
日本とベネズエラは、来年再戦が実現する可能性もある。もし日本代表が招待を受けているコパ・アメリカに参戦すれば、どこかのタイミングで当たってもおかしくない。そのことはロモも承知しており、再戦を心待ちにするとともに、次のようなメッセージを残してくれた。
「来年再戦するチャンスがあれば、その時はまた違った試合になると思う。コパ・アメリカは他とは全く違う大会だ。緊張感、試合の質、モチベーション、何もかもがこういった親善試合とは全く違うレベルになるんだ。日本なら南米特有の戦い方にも適応できると思うけどね。もし対戦する機会があれば嬉しいし、また良い試合をしたい。その時はより成長して、今日以上の僕たちの強い姿を見せられるんじゃないかな」
コパ・アメリカのみならず、森保ジャパンにとって初めての公式戦となるアジアカップもこれまでとは別物の戦いになる。そこでの経験を糧に、来年本気の南米勢と力比べをすることができるコパ・アメリカに向けて日本の攻撃ユニットが、世界に通用するレベルまで成長するか。彼らのさらなる進化に期待したい。
(取材・文:舩木渉)
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