「日本のベストプレーヤーは…」
最も象徴的だったのは44分の場面。大迫はGKシュミット・ダニエルからのロングパスを、相手DFを背中で制しながら胸でコントロールすると、滑らかな動きで反転。スペースがより大きかった左に展開し、中島のカットインからのシュートを引き出した。
シュートが枠を外れたため難を逃れたが、ここでの大迫のプレーについてベネズエラの守護神は「タッチが見事だった。ディフェンスはタイトに寄せ続けようとしていたけど、彼はボールを最高の形でコントロールして前を向いた」と振り返り、「同じようなプレーはあれ以外に何度もあって、それが彼の特徴でもあり、かなり機能していたと思う」と分析する。
大迫は相手DF、とりわけ経験の浅い左センターバックのナウエル・フェラレシを引きつけながら、ポジションを落として味方からのパスを引き出す。その動きに呼応した2列目の選手たちとのコンビネーションで相手の守備を崩していく形は、森保ジャパンの十八番になりつつある。
ドゥダメル監督も「我々のDFの判断ミスがしばしば見受けられた。プレスに出るべきでないところで出てしまって、日本の選手たちがスピードでかわしていく場面が見られた」と述べた通り、サポート役に回る大迫を起点にした流動的な攻撃は非常に効果的だったと言えるだろう。
今や日本代表を力強く引っ張るようになった大迫や、NMDの3人。では、ベネズエラのゴールを守っていたGKから見て、彼らの中で最も強烈なインパクトを残した選手は誰だったのだろうか。
「10番だね。僕が思うに、日本代表のベストプレーヤーは彼だ。とんでもなく速く、プレーも正確だった」
ロモが挙げたのは、中島だった。左サイドに寄って近い距離でプレーする10番と9番、右サイドからフィニッシュに絡んでくる21番という構図ができていた試合で、「何度も何度も中に切り込んできて、日本のいい攻撃を演出していた」堂安の印象も強いようだが、中島はその上をいっていた。
「彼がビッグクラブから興味を持たれていることも知っているよ。それに値するプレーをしていると思う。ベネズエラ代表にもポルトガルでプレーしている選手が2人いて、日本の10番が注目を集めている選手だということを話していた。彼らによれば、『ポルトガルリーグでも最高のプレーをしている』と。実際、今日も最も危険なプレーヤーだった。ポルティモネンセでプレーしているんだよね? ポルトガルリーグでプレーを続ければ、間違いなく最高峰のリーグに行けるよ」