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好チームだったベネズエラ。森保ジャパン、“本気”の南米勢に1勝1分の価値とNLの意外な好影響

text by 編集部 photo by Getty Images

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好チームだったベネズエラ代表【写真:Getty Images】

【日本 1-1 ベネズエラ キリンチャレンジカップ2018】

 日本代表は16日、キリンチャレンジカップ2018でベネズエラ代表と対戦し1-1と引き分けた。

 森保一監督体制での4連勝はならなかったが、ベネズエラは簡単に勝たせてくれるような相手ではなかった。ビッグチャンスも作った日本だが、相手にうまく守られたシーンもあった。守備では吉田麻也、冨安健洋のセンターバックを中心にサロモン・ロンドンに対応できていた。それでも、中盤からサイドに展開するパスには苦しめられた。ベネズエラは局面でのバトルにも強く、勝利を掴むために戦っていた。日本にとってもベネズエラにとっても、この一戦は強化試合だった。

 振り返れば、10月に対戦したウルグアイ代表も本気だった。ルイス・スアレス(バルセロナ)は不在だったが、DFディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー)、FWエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)といったワールドクラスを中心に質の高いメンバーを揃えてきた。

 9月に予定されていたチリ代表戦は、平成30年北海道胆振東部地震の影響で中止となったが、来日メンバーにはアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)もいた。選手の顔ぶれでその国の代表チームのモチベーションは図れないとはいえ、ただ試合をこなしに来たわけではないことは確かだろう。

 また、ウルグアイやベネズエラには昨年のU-20ワールドカップに出場した選手たちがいた。この大会で彼らと対戦した堂安律や冨安にとっては、自分たちの現在地を確かめる機会にもなったはず。特にウルグアイのベンタンクールはロシアワールドカップでも主力としてプレー。“日本の希望”である2人にもさらなる成長が求められる。

“本気”の南米勢と2試合を戦い、1勝1分。連勝は止まったとはいえ、ベネズエラ戦におけるドローの価値は決して小さくない。発足以降、順調な歩みを見せている森保ジャパン。中島翔哉、南野拓実、堂安ら新時代を象徴する選手たちが躍動し、未来に希望を抱かせてくれている。歯ごたえのない相手に躍動したのではない。強敵を相手に持ち味を出す、もしくは出そうとしていることに意味がある。

 今後も南米のチームと対戦する機会はあるだろう。日本がその時々のベストの陣容で臨むのはもちろん、南米勢も本気度の高いメンバーで来てもらいたいところだ。

 UEFAネーションズリーグが始まり、ヨーロッパ同士の対戦が増加。日本が彼らと対戦する機会が減少してしまうという懸念があった。しかし、南米のチームがアジアに目を向け「レベルアップするための相手」と捉えてくれれば、日本にとってもポジティブ。欧州勢と対戦できない者たちで鎬を削る。そうした環境を大事にすべきだ。代表レベルのサッカーシーンも変化する中、日本で行う国際Aマッチウィークが単なる親善試合ではなく強化試合の色が濃くなっていけば、日本代表の成長はどんどん加速していく。

【了】

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