ベネズエラ代表、東京五輪世代がずらり
日本代表の森保一監督とベネズエラ代表のラファエル・ドゥダメル監督には、大きな共通点がある。
それは両者ともに母国のA代表とU-21代表の監督を兼任しているということだ。ただ、2人が揃って掲げている「融合」というキーワードからそれぞれの代表を見てみると、違いは浮き彫りになる。
というのもドゥダメル監督は2014年8月からU-20ベネズエラ代表の監督を務めている。昨年のU-20ワールドカップで準優勝したチームは、2013年にU-17代表だった頃から指導していて、世界の舞台で輝いた後は「東京五輪世代」の選手たちで構成されるU-21代表の指揮官に“昇格”している。
A代表の監督は2016年4月から任され、現在まで約2年半にわたって指揮を執っている。ロシアワールドカップの南米予選は最下位で敗退に終わったが、既存戦力と若手の「融合」を図りながら先を見据えたチーム作りを進めてきた。
森保監督が昨年12月からU-21日本代表の監督に就任し、A代表の監督になったのはロシアワールドカップ後だったことを考えれば、ドゥダメル監督は“先輩”にあたる。16日に行われる日本戦に向けた記者会見の中でも「2チームを同時に見るということは、ほとんどメリットしかないと思っている。こうして2チームを同時に率いることでA代表の選手たちの選択肢を増やすことができる」と2年半の兼任を経験して得た手応えを語っていた。
確かにベテランと若手の「融合」は、日本よりも着実に進んでいる。日本とベネズエラは昨年のU-20ワールドカップでも対戦しているが、当時のU-20代表にいた選手がA代表にステップアップしている数を比べても、その差は歴然だ。
日本には堂安律と冨安健洋の2人が、昨年のU-20ワールドカップ経験者としてA代表入りを果たしている。一方、ベネズエラは今回のアジア遠征に招集されているメンバーの中だけでも、GKのウィルケル・ファリニェスをはじめ、ジャンヘル・エレーラ、ロナルド・エルナンデス、ナウエル・フェラレシ、セルジオ・コルドバの5人が東京五輪世代の若手だ。
トラブルで来日を断念したジェフェルソン・ソテルドや、今回は招集外となったアダルベルト・ペニャランダ、ロナルド・ルセーナ、ロナルド・ペーニャ、ホセ・フェルナンデスらを含めれば、すでにA代表キャップを持っている選手が二桁にのぼる。