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日本代表 6年前

司令塔・柴崎岳、ベネズエラ戦で示すべき底力。異彩を放ち、日本をアジア王者へ導くか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

所属クラブで苦戦する柴崎

 半年前の2018年ロシアワールドカップで日本の16強進出の原動力になったボランチに対する指揮官の信頼と期待は非常に大きいが、今季リーガ・エスパニョーラ全12戦中2試合(うちフル出場1試合)しかプレーしていない点はどうしても懸念されるところ。これだけ公式戦出場から遠ざかると、試合勘やゲーム体力が鈍りがちだ。

 実際、ウルグアイ戦でも後半になって息切れのような状態を垣間見せた。それはロシアの時の柴崎にはなかったこと。「その時やれることをやっているので、変な焦りとか、気持ち的な動揺って部分はあんまりない」と本人は周囲の懸念を一蹴したが、それをベネズエラ戦で証明するしかない。まずは彼の現状が気になる。

 そのうえで、柴崎には2015年アジアカップ(オーストラリア)経験者として攻守全体をリードしてもらう必要がある。まさかの8強止まりに終わった前回アジアカップを経験しているのは、今の森保ジャパンでは吉田と東口、柴崎だけ。柴崎はジョーカー的な役割を担ったが、準々決勝・UAE戦で値千金の同点弾を挙げるなど鮮烈な印象を残している。

 2014年9月に代表がハビエル・アギーレ監督率いる新体制となり、そこからアジアカップに向かう流れも経験しているだけに、還元できることは多い。4年前の記憶を呼び起こしながら、彼はこの11月シリーズでやっておくべきことをこう表現した。

「まず勝利は必要なものかなと思います。自信を持って大会に行くことは悪いことではないし、いいイメージを持ってアジアカップに行くことは大事だから。それと同じくらい内容の方に目を向けていかないといけない。初めてこのチームで迎える公式戦というのは非常に独特な雰囲気があると思いますし、それに1人1人がどう適応していくか。そこは想定しておかないといけない。想定を超えてきたりとか本番にならないと分からないこともあるけど、いろんな状況を想定しておくことは非常に大事だと思います」とチーム全体の対応力と柔軟性を引き上げていくことの重要性を改めて強調した。

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