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日本代表 6年前

権田修一が追い続けた川口能活の背中。日本代表としての責任胸に、作る独自のGK像

text by 藤江直人 photo by Getty Images

森保ジャパンの勝利に貢献することが、川口への唯一無二の恩返し

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森保ジャパンの勝利に貢献することが恩返しとなる【写真:Getty Images】

 9月に船出した森保ジャパンのキーパーの顔ぶれは、32歳の東口順昭(ガンバ大阪)、29歳の権田、そして26歳のシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)で固定されている。3人のうち東口が2試合、権田が1試合に先発フル出場し、ダニエルはまだ国際Aマッチデビューを果たしていない。

 権田が言う通りに再編されている最中であり、一方で最後にA代表でプレーしたのが2008年11月の川口、2010年9月の楢崎の背中を必要以上に意識する必要もない。2人が先輩たちを、そして川島が2人を追い抜いたように、自然体で挑めばいいと権田は力を込める。

「プレッシャ―を感じるのではなく、僕は僕のよさ、東口選手は東口選手のよさ、ダニエルはダニエルのよさを出して、それぞれが日本のキーパー像をそれぞれの形で作っていければいいんじゃないかと。能活さんみたいなことをしなきゃいけないとも、ナラさんみたいなことをしなきゃいけないとも思わないし、永嗣さんの真似ごとをしても上手くはいかない。それぞれの選手がベストを尽くせばいいと考えています」

 川口は引退会見の席で「この1、2年はプレーを続けるか、引退するかのはざまで揺れていた」と述べたうえで、今夏のロシア大会が引退を決意させるきっかけになったと明かした。西野ジャパンが見せた戦い、そしてその後に年代別の日本代表がアジアで見せた戦いを見て、自分が日の丸を背負って戦っていたときよりも上のレベルにある、という思いが込みあげてきたという。

「そうした状況で選手としてではなく、違った形で日本サッカー界に貢献したいという思いが強くなり、引退する覚悟を決めました。体はすごく元気なので、完全燃焼したかといえばまだ余力はありますけど、常にピッチの内外でベストを尽くしてきてこの決断に至ったので、後悔はしていません」

 ベネズエラ戦へ向けたキャンプが始まった12日から、3人のキーパーたちは切磋琢磨を繰り広げている。誰が16日のゴールマウスに立つにしてもベストの心技体を整え、代表に招集されるに値するそれぞれのストロングポイントを最大限に発揮し、森保ジャパンの勝利に貢献することが、日本のゴールキーパーを四半世紀も引っ張ってきた川口への唯一無二の恩返しとなる。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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