1トップに課される重要な役割
「タテに行く選手が多いので、僕のところでしっかりと落ち着かせないとチームとしても苦しくなる。そこはまだまだですね。今は難しいところもあるけど、勢いよくガンガン行ってもらうのが一番。これを続けながら経験ある選手たちがしっかりとコントロールできればいいかなと思いますね」と大迫は10月のウルグアイ戦の後、こう強調していたが、ロシアワールドカップ(W杯)までのチームとの違いにどこかやりづらさを覚えている部分があるのは事実だろう。
遠藤航が指摘した通り、南野は香川以上にゴールハンターとしての色合いを前面に押し出している。香川とのタテ関係でタメを作り、原口元気と乾貴士という矢のようにタテに抜けられる両ウイングを生かしていた半年前との違いを認識したうえで、彼なりの解決策を見出さなければならない。それは絶対的1トップと位置付けられる大迫にとっても簡単ではないテーマ。鹿島アントラーズのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇の原動力となった鈴木優磨に代わって追加招集された杉本健勇らに至っては、より難易度は上がるだろう。
ただ、大迫が言うように、1トップが若い2列目トリオを確実にコントロールできない限り、日本のゴールへの推進力と機動力は上がらない。アジアカップで対戦する韓国やオーストラリアなどのライバル国もその弱点を徹底的に分析し、対策を練ってくるはずだ。今回対峙するベネズエラとキルギスは1回の対戦だけに、2列目トリオは分析されず、ここまで3戦と同じようなイキイキとした動きを見せる可能性もあるが、分析された時こそ真価が問われる。アジアカップで徹底マークを受ける前に、バリエーションや変化を加えておくことは肝要だ。
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