2列目のトリオをどこまで生かせるか
2018年の日本代表ラストとなる11月のベネズエラ(16日=大分)・キルギス(20日=豊田)との2連戦がいよいよ間近に迫ってきた。12日から大分市内で合宿中の日本代表だが、3日目の14日に追加招集の杉本健勇が合流。ようやく23人全員が揃った。この日はJ1昇格に向けたラストマッチを控えた大分トリニータの片野坂知宏監督もトレーニングを視察に訪れる中、森保一監督は冒頭25分間を除いて報道陣をシャットアウトし、戦術確認を行った。
「なるべく多くの選手にピッチに立ってもらいたい」と指揮官は語ったが、今回はチームを固める数少ない機会。所属クラブで出番の少ない吉田麻也や柴崎岳は2戦連続で使ってコンディション向上に努めるだろうし、チームの格となる中島翔哉、南野拓実、堂安律と1トップの大迫勇也もなるべく長い時間を与えて連係強化を図っていくはずだ。
ベネズエラという南米のチームとキルギスというアジアのチームはタイプも特徴も全く異なる。そういう相手に戦い方を変えられる柔軟性や適応力も求められるところ。それをこの2戦で試しておくことは、今後に向けての重要なポイントと言っていい。
いずれにしても、タテへの推進力に秀でた2列目トリオを確実に生かすことが、1月の2019年アジアカップで8年ぶり5度目のアジア王者に返り咲くための必須条件なのは間違いない。3人を後押しする側にいるボランチの遠藤航が「彼らのよさは前につっかけて、どんどん仕掛けていくところにあると思う。特に拓実はトップ下ですけど、セカンドトップと言うか、点を取るところにフォーカスしているイメージがある。真司君はどっちかというとゲームを作りながらラストパスを出したりする。ただ拓実の方が少し高いポジションでプレーしているのかな」と語っていた通り、得点により注力した面々であることは確か。彼らを前線でコントロールする1トップの大迫も微妙にやり方を変えながら動かなければ、類まれな推進力を十分に発揮しきれないリスクがあるのだ。