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日本代表 6年前

堂安律、日本代表で加速する成長。U-20W杯のリベンジへ、こだわり続ける「最後の質」

text by 舩木渉 photo by Getty Images

ベネズエラ戦で1年前の雪辱を果たせるか

堂安律
堂安律はU-20ワールドカップのベネズエラ戦で味わった悔しさを忘れていない【写真:Getty Images】

 堂安には当時「ベスト4まで行ける」という自信があった。それをベネズエラに打ち砕かれた。あの激闘で目の前にいた選手たちと再び戦うことができることに、やりがいを感じないはずがない。

 韓国・デジョンのスタジアムで、ベネズエラに敗れた後「こんなあっけなく終わるんだ…」という言葉とともに、未来への決意を新たにした堂安の言葉が印象に残っている。

「やっぱり最後の質を上げないといけない。今日はフリーキックもあったし、崩してシュートを打った場面もあった。あそこで決め切る選手が『やっぱり、あいつは決める』と思われる選手。この前の試合でできたからではなく、続けていくことに意味があると思う」

 U-20ワールドカップが終わった後、堂安はガンバ大阪からフローニンゲンへ移籍した。それから何もかもが初めて、異なる文化、サッカーも違う、さらに言葉も通じない環境で努力を重ね、ポジションを勝ち取り、期限付き移籍から完全移籍へと契約形態も変わった。

 ゴールも決め続けた。フローニンゲンでの1年目はリーグ戦で9ゴール4アシスト。とにかく「最後の質」にこだわり、結果を残してきた。ファン・サポーターが選ぶ年間MVPも獲得し、信頼を揺るぎないものにした。『フランス・フットボール』誌が今年から新設した「若手版バロン・ドール」とも言われる「コパ・トロフィー」の候補者10人の中に、フランス代表としてロシアワールドカップを制したキリアン・エムバペらとともに名を連ねるまでになった。

 今や堂安のポテンシャルの大きさは、欧州でも認められている。それでもより高いステージに立つことを目指す堂安の向上心は尽きることがない。結果への底知れぬ貪欲さも一切ブレない。あの悔しすぎる敗戦からの1年、彼の成長は一気に加速し、勢いはとどまるところを知らない。

「この2試合、どうやったら自分が貢献できるかって考えたら、絶対ゴールとアシストが必要になってくる。それができなければ自分が(日本代表に)来る必要もないと思うし、それができるからこそ呼ばれていると思う。それを考えながらプレーしていきたい」

 まずはベネズエラ戦。堂安はそこでU-20ワールドカップで対戦した相手選手たちに「俺も成長しているんだ」というところを見せつける。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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