A代表定着の大チャンス。まずは練習からアピールを
そんな中、攻撃的なプレーに秀で、利き足が左の純粋な左サイドバックとしての価値があり、強烈かつ精度の高い左足キックを蹴ることができる山中にかかる期待は大きい。そこは本人も自覚している。
「やっぱり攻撃のところだと思うので、求められているところははっきりしていると思うし、ゴールやアシストという目に見える結果を残して、生き残れるようにしたい。(長友の離脱は)僕にとってはチャンスだし、こういったチャンスをものにできるように、まずは明日からの練習でしっかりアピールして、試合に使ってもらえるように頑張っていきたいなと思います」
苦手としている守備にも「代表レベルが求められる」と、これまで以上に意欲的。当然ながら森保ジャパンのこれまでの3試合もつぶさにチェックしており、「2列目の選手がすごく躍動していたイメージがあって、そこを少し僕が出たら手助けできるようにできたらいい。オーバーラップで回ったりだとか、関わっていけるようにしていきたいなと思って見ていました」と、山中はすでに自身がA代表のピッチで輝くイメージを膨らませている。
森保監督は10月のパナマ戦とウルグアイ戦ではっきりとチームを分け、より多くの選手に先発出場の機会を与えた。今回は「完全にチームで分けて出るというか、そういう戦いができるかまだちょっとまとまっていない」と言葉を濁したが、「より多くの選手にピッチに立ってもらいたい」とも述べていた。
当然、初めて招集したため実力をその目で見極めきれていないであろう山中にも、どこかでチャンスは与えられるはず。とはいえ、まずは「個々のプレーを発揮してもらいたい」と常々語る森保監督を練習の中で唸らせ、できるだけ長い出場時間を得たいところ。練習でアピールして、2連戦のピッチの上で実力を見せつける。その先に、アジアカップ参戦の可能性が開けてくるだろう。
(取材・文:舩木渉)
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