試合を終わらせた豪快なシュート
こうして整ったバランスのもとで、効率的なボール奪取が行われる。間隔を詰め、相手の攻撃を限定し、ポイントを決めて掠め取る。ここで働きを見せたのが中盤のマテュイディと、温存されたレオナルド・ボヌッチに代わって先発したメディ・ベナティアだ。相手FWから高い位置でボールを奪い、試合中のインターセプトの数は9に達した。
特に73分に見せたボール奪取は決定的だった。マテュイディのパスミスを拾われ、ユベントスはカウンターを食らう。戻りが間に合わず数的均衡の状態で、中央にいたイグアインへボールが渡った。その時ベナティアは、体を当てながら一発でイグアインの足元からボールを刈り取った。抜かれていれば確実にシュートまで行かれていたであろう場面で、隙を許さなかった素晴らしい守備だった。
そしてユーベは、マンU戦ではリズムが散漫になった終盤で、ボール奪取と攻撃のテンポを一段上に上げる。高い位置でプレスを掛けて、立て続けにミランの攻撃を寸断。DFラインから組み立ても効かないような形に追い込み、右に左へと厚い攻撃を仕掛けた。
ミランの守備陣をゴール前に釘付けにすれば、良いところにポジションを取るのはやはりC・ロナウドだ。オーバーラップしたジョアン・カンセロがシュートを放った時、クロスを呼び込むためエリア内でポジションを取っていた。そこにミランGKジャンルイジ・ドンナルンマがボールを弾けば、あとはイメージ通り蹴り込むだけ。豪快にシュートを打ち切り、事実上試合を終わらせた。
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