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マンC、ダービーの主役に躍り出た二人の魔法使い。Wシルバがもたらした、無限大の可能性

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

際立ったWシルバの存在

マンチェスター・シティ
勝利の立役者となったベルナルド・シルバ(左)とダビド・シルバ(右)【写真:Getty Images】

 試合後のデータを見ても、シュート数は17本:6本、支配率65%:35%、パス成功率91%:84%となっているなど、シティはあらゆる面でマンUを圧倒したのである。では勝利の立役者となったのは誰なのだろうか。

「セルヒオのゴールは、チームを助けてくれた」とグアルディオラ監督は試合後の記者会見で話したという。確かに、この日のアグエロは強さ、速さ、上手さのすべてが際立っており、終始マンUの脅威になっていた。エースの仕事を完遂したと言えるだろう。同選手ももちろん、勝利の立役者であることは間違いない。ただ、ここではこの二人にフォーカスしてみたく思う。

 その二人こそ、ダビド・シルバとベルナルド・シルバの“Wシルバ”である。

 前者は先制ゴールをマークした点はもちろん、中盤の位置でボールを引き出し、前を向いては効果的なパスを繰り返し送り出すなどチャンスの起点になり続けた。事実、この日D・シルバは82本ものパスを出している。これはジョン・ストーンズとアイメリック・ラポルトの両CBを除けば一番良い数字となっており、その成功率は90%だ。相変わらず恐ろしいセンスの持ち主であると実感させられた。

 一方のB・シルバも、最終ラインからパスを引き出し、ドリブルやパスでチャンスを演出する役割を完遂した。この日は実質2つのアシストを記録しており、決定的なパスを6本(両チーム合わせて最多の数)出すなど、ゴールの可能性を感じさせるプレーでチームを活性化させた。

 そしてこの二人に共通して言えるのは、プレーエリアが幅広いことである。この日の両者がボールタッチしたエリアを見てみても、自陣深い位置から敵陣ゴール前までほとんどすべてのエリアでボールに触れていることがわかる。これだけ幅広い場所に顔を出せる選手がいれば、味方も大きな安心感を抱くことができるだろう。まさにチームを勝利に導いた立役者だと言えるだろう。

 今季リーグ戦無敗継続中のシティ。二人の“魔法使い”、D・シルバとB・シルバは、今後もシティに無限大の可能性をもたらすだろう。

(文:小澤祐作)

【了】

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